臨書(りんしょ)と創作(そうさく)

書のコトバ

前回の投稿では「集字」を取り上げました。今回は、書の学習について触れてみます。

書の学習においては、臨書と創作があります。

「臨書」とは、過去のすぐれた書の作品をお手本にして学ぶことです。書の世界では、「古典」と言うと、この「過去のすぐれた書の作品」を指すことが多いので、文学的な意味での「古典」と区別して、聞いたり使ったりすると良いと思います。

二玄社『中国法書選34 雁塔聖教序』より「褚」
私が臨書してみた「褚」。何度も繰り返すことで、色んな発見があります

また「創作」とは、臨書などを通して身につけた力をもとに、自分なりの表現も加えながら、新たな表現を見つけることです。先日、取り上げました、「集字」という作業がここで大切になって来ます。

二玄社『中国法書選34 雁塔聖教序』より「自」
同じく「然」
『雁塔聖教序』の「自」「然」をもとに、創作してみました

臨書だけを楽しむという学習は、あり得るかと思いますが、創作だけの学習は考えにくいです。臨書を始めると、自然に創作したくなると思いますので、両方楽しんで学習するのが効果的だと考えます。

ところで、「然」の字の、「犬」の部分が、「火」になっているのに気づいた方もいらっしゃると思います。書を学習して行くと、こういった「字体(じたい)」の違いに、よく出会います。次回の投稿では、この「字体」を取り上げたいと思います。

時には、臨書や創作から離れて、全く自由に書いてみたり、色んな線を書いたりする、筆遊びのようなことをすると、色んな発見が出来るかもしれません。

臨書も創作も、とにかく書いてみることがおすすめです。書いた後に、書いたものを見て、あれこれ考えるのが良いように感じます。

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