書道の世界では、毛筆の運筆法の学習において、「永字八法(えいじはっぽう)」という学習法があります。
「永」の一字で、基本点画8種の運筆が学習でき、ほとんどの文字に応用できるという考え方です。
①第1画目の点が、「側(そく)」
②第2画目の横の部分が、「勒(ろく)」
③第2画目の縦の部分が、「弩(ど)」
④第2画目のはねの部分が、「趯(てき)」
⑤第3画目の横の部分が、「策(さく)」
➅第3画目の左はらいが、「掠(りゃく)」
⑦第4画目の左はらいが、「啄(たく)」
⑧第5画目の右はらいが、「磔(たく)」
の、8種類です。
②「勒」は、⑤「策」より長い横画を想定しています。また、➅「掠」は、⑦「啄」より長い左はらいを想定しています。
幼い頃、習字の時間に、⑧「磔」の三角形のはらい部分の書き方に苦労した経験を思い出す方は、多いかもしれません。
「永字八法」は、現代ではあまり重要視されていないようですが、きれいな「永」の字に出会うと、ハッとしますし、「永」の字を書く時は「永字八法」が頭をよぎります。
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