楷書(かいしょ)・行書(ぎょうしょ)・草書(そうしょ)

書のコトバ

前回は、「書体」のお話をさせて頂き、「書体」には身近なものとして「楷書」、「行書」、「草書」、「篆書」、「隷書」があることをお話させて頂きました。
今回は、その時登場した「楷書」、「行書」、「草書」について触れてみようと思います。

まず、書の歴史上の名跡の「書」の字を見てみましょう。

写真①:楷書「書」。九成宮醴泉銘より
写真②:行書「書」。蜀素帖より
写真③:草書「書」。書譜より

写真①~③は、すべて『中国法書選』(二玄社)からです。

「楷書」は、一点一画を繋げずに離して、はっきり、しっかり書きます。
よく、申込み用紙や、申請用紙などに、「楷書ではっきり、濃く書いて下さい」と添えられているのを、よく見かけます。
書の学習においては、楷書から学ぶことがほとんどではないでしょうか。文字の中心や左右のバランスを整え、骨格を学ぶには、やはり楷書です。

「行書」はと言うと、一点一画を所々繋げて書かれた書体です。
楷書は厳格さがあります。一方、行書は流麗さがあり、一画一画に丸みを帯びるのを感じられます。
ただ、あまり一点一画を繋げる箇所が多いと、うるさく感じてしまいます。
楷書よりも、速く書けるので、日常筆記には行書が最適ではないでしょうか。

写真④:私が封筒に書いた見出し文字。
日常筆記は行書になることがほとんどだと思います。

「草書」は、日常筆記ではほとんど見かける事はないでしょう。日常筆記で使えれば、行書よりも格段に速く書けますが、「くずし字」の知識が必要なので、書くにも、読むにも難易度が高いです。もっとも、読む相手が困ると思います。

写真④:私のメモ書き「教」字
写真⑤:書道字典(伏見冲敬編・角川書店刊)の「教」字

写真④は、私が「教室用」とメモ書きした中の「教」字です。写真⑤は、書道字典に収録された「教」字。水色の点でマークアップしたのが、草書体の「教」字の一部です。
私の書いた「教」字が、草書の影響を受けているのを感じていただけると幸いです。
私的なメモ書きであれば、草書は有効に活用出来ますね。スピード時代ですから、草書復活!!?なんて考えたり(笑)
達筆の方々や、書に馴染みのある方々、書の先生方は、きっと普段のメモ書きなどに、草書か草書に近い書体を使っているのかと思います。ですので、私は密かに、楷書が今、私たちにとって書き慣れなく、見慣れない書体になってしまっているのではないかと思っています。

草書を見かけるシーンとして挙げるとすれば、旅館などの看板や、日本酒などの商品ロゴの文字などでしょうか。
私の印象で恐縮ですが、草書体を使うことによって、その会社や商品の、伝統や歴史が表現されているなぁ、と感じることがあります。

このように、基本は「楷書」を学び、それを「行書」に展開していくイメージが良いと思います。
「草書」は、知っておけば書の楽しみが増えるかも知れませんね。
そして、楷書の大切さが再認識されることを願っています。

では、次回は「篆書」、「隷書」に触れてみたいと思います。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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