とてもシンプルな構成の文字ですが、「十」。横画と縦画の交差で成り立っています。
とは言っても、横画は水平に書くか、あるいは、どれくらい右上がりに書くか。また、どれくらいの長さか。
縦画は左に膨らむか、右に膨らむか、あるいは真っ直ぐか。はらうか、とめるか。
交差する所は、横画の真ん中か、右寄りか。縦画は、交差の上が長いか短いか。
その他、線の太さ細さ、潤渇、濃淡など、たった2画の「十」の文字にも、言葉に尽くし切れない表現が存在しています。
今、手元の『書道字典』を開いて、「十」の字を見ています。角川書店・伏見冲敬先生編です。
先人の方々の研究と収集、整理のご尽力のおかげで、私たちが書に近づくことができることに感謝し、創作に励みたいと思います。
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