谷村新司さんが生み出し、谷村新司さんを導いた曲、『昴』。
谷村さんは、何度も『昴』を歌い、また何度もレコーディングされ、谷村さんのその時の、最新の『昴』を残されて来ました。
『昴』の編曲者、服部克久さんがお亡くなりになった時も、『昴』を歌われました。当時、売れにくいホルンのサウンドを、敢えて採用したと、谷村さんが語っていたと記憶しています。壮大なホルンの演奏に包まれた『昴』をテレビで聞き、谷村さんの服部さんへの、そして多くの編曲者への敬意を感じたことを覚えています。
スタッフやバックバンド、裏方の方々、そしてファンへの感謝を忘れなかった谷村さん。『昴』の歌詞にある「我も行く」という言葉は、沢山の人々との一体感と、エネルギーを感じる大好きな言葉です。
『昴』の歌詞を練り上げて行く際、石川啄木さんの文学作品を参考にされたそうです。
谷村さんは、沢山の詞を書かれています。最初の頃は、自分の経験をモチーフにされることが多かったそうですが、そのうち自分の経験だけでは追い付かなくなり、文学や映画などをモチーフにすることも出てきたと語っておられた記憶があります。その貪欲であり、かつ確かな方向性が「谷村文学」とも銘打つ大輪を咲かせることになったのだと感じています。
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